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寸法
径 23.2センチ
高さ 6.5センチ
底径 12.8センチ
口縁に極小ホツ(指摘されないとわからないくらい
目立ちません)
見込みの鳳凰が使用擦れにより少し摩滅しています。
口縁の花に金彩を施した後が見られます。
所蔵品リスト
① 静嘉堂蔵 古伊万里 p76所載同手品
(写真9枚目参照ください)
② 小木一良先生著 古伊万里金襴手作品
p15所載同手品(写真9枚目参照ください)
③ ドイツ ツヴィンガー宮殿 アウグスト強王コレクション 同類品
④ オランダ トゥヴィッケル城 所蔵品 類品
(写真10枚目参照ください)
⑤ イギリス貿易商 W.U.Jロビンソン 1924年
売り立て目録 出品同手品
元禄時代の「準型物」(型物伊万里に準ずるクオリティーの作品を指します)の十二角鉢です。
型物と言われる「五艘船」「琴高仙人」「寿の字」「荒磯」
などは今でも評価が高く、一千万するものもザラです。
これはそれらの「型物」よりワンランク劣るものの
巷に存在する金襴手作品の中でもトップクラスの品に
対してのみ冠することのできる作品を「準型物」と呼び
尊ばれています。
静嘉堂の解説によると
「型打ち成形で折縁とした十二角の平鉢。
見込みの染付二重圏線の中には
雲気をたなびかせながら
飛翔する二羽の鳳凰を、
四方に配した木瓜形の窓には
大振りの唐花文を描き、
窓枠の間を緑地に四方襷の地紋つぶしとする。
裏文様は十二角の各面に丸紋と杜若風の
花文を交互に配して、高台の円圏内に
「大明万暦年製」の染付銘を記す。
高台内に三つの目跡が残り、
畳付きは露胎となっている。
日本の国内市場に向けて生産されたとされる
金襴手の型物だが、
なかには海外に渡っていったものもあるという。
本作とほぼ同一意匠の作品が、
ドイツドレスデンにあるザクセン公国アウグスト強権王(1670〜1733)による
古伊万里コレクションに含まれており、
マイセン窯で精巧な写しも作られている。
アウグスト強権王は
ヨハン・フリードリヒ・ベドガー(1682〜1719)に、
マイセン磁器(1709年誕生)の開発を命じた人物で
東洋陶磁の収集でも知られている。
また、オランダデルデンの
トゥヴィッケル城にも類品が所蔵されており
(テレビ番組で偶然見つけました。
写真10枚目に写る棚上段中央の作品に注目。
柿右衛門の名品の中に一緒に
飾られているのがわかります)
型物の中から本作のような
意匠のものが特に選別され、
ヨーロッパに輸出されたことが想像される」
またイギリスの貿易商で神戸に駐在した
W.U.Jロビンソンは肥前磁器の蒐集家で
月収5千円のほとんどを伊万里に注ぎ込んだ人で
当時二円から五円くらい高くてもくらいの
古伊万里から鍋島、古九谷、柿右衛門、
そして最も力を入れたのが古伊万里の金襴手の作品でした。
これらのコレクションは相続する子息たちは興味がなく
数回に分けて売り立てに出され
莫大な金額になったと言われています。
現在では美術館に居並ぶ名品の大半は
ロビンソンの旧蔵品ですが、そのよすがは目録で
見ることしかできません。
本品はそうした作品と同じ意匠の作品です。
どの作品を見ても細部に違いがあり、
全く同じものはありません。
時代箱があり、おそらく明治時代大名家から
流出したものを商人が買取り、
箱を作ったものと思われます。
当時「古伊万里」とは元禄時代限定の
暗めの赤を用いたこれら型物を指し、それ以外は
単に「伊万里」と呼ばれた時代の作品です。
昔の骨董商は古伊万里も仁清もこの「赤」でないと
いけないというほど厳格なものでした。
口縁に指摘されないとわからないほどの小さなホツが
1箇所あります。(写真7枚目参照ください)
また、使用擦れ(箸擦れ)により鳳凰の顔が少し摩滅
しております。
それでも肩書きの多さには枚挙に暇が無い名品です。
この美術館クラスの名品はいかがですか?
(2022年 10月 29日 15時 32分 追加)この品物は基本的に売り切りで出品いたしますが、
あまりに当方の希望(原価以下)の場合は
やむえずオークションを取り消しさせていただきます。
何卒ご理解のほどよろしくお願いします。(2022年 10月 29日 15時 35分 追加)この品物は、明治時代のいわゆる「大聖寺伊万里」などの
リバイバル品ではないことを保証します。(2022年 11月 4日 15時 00分 追加)同梱された新聞の年号は
明治32年とあり、これも
私の推測の裏付けとなる可能性があります。